副業診断士と事業再構築補助金

あけましておめでとうございます。
2023年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

昨秋から年初にかけての話ですが、第七次と第八次の事業再構築補助金申請に必要な事業計画書作成のお手伝いをしておりました。
このお手伝いを紹介してくれたコンサルティングファームには多大な感謝を申し上げたいと思います。

今回の契約内容では補助金が採択されれば10万円程度の報酬が頂けます。この額が高いかと言われると決してそうではないと思いますが、仕事を取ってくる労力、実際に事業主様と様々な折衝をする労力を考えると、事業計画書作成のみのお手伝いの報酬としては、あながち、いわゆる搾取的な報酬とも言えないと感じます。

私は、副業で個人事業主としてヒノトリ経営デザインを運営しております。

本業の職場では昨春から管理職となり、なかなか副業に割く時間が取れない状況でありました。そんな中、どういった馴れ初めかは忘れたのですが、副業診断士に対して仕事を振り分けるコンサルティングファームと接点を持つことができました。
最初は仕事が回って来ませんでしたが、昨年8月に第7次の事業再構築補助金のお話を頂き、未経験ではあったものの、これはチャレンジするしかないと思いお受けすることにしました。
(ちなみに勤務先では、第4次事業再構築補助金にて8,000万円の補助金の採択をいただいており、その際の事業計画書の作成には携わりました。しかしながら勤務先もコンサルタントに依頼しており、そのコンサルタントと連携を取りながらの作成でしたので、あまり自信を得ることはできておりませんでした。)

今回の案件は、報酬はもとより今後の自身のキャリアへの第一歩として、まずは地道に信用を得ることを目的として受けることにしました。

第7次はすでに結果が出ており不採択でした。結果は残念でしたが、不採択の結果が出る前に再度第8次のお手伝いのお声がけを頂いており、これは個人的には第7次の時の対応や計画書の内容が、それなりの水準だと認めて頂いたのだろうと受け止めております。

副業診断士には、まず時間がありません。
1日のうち最低でも8時間は本業に精を出しています。その他の時間は、私の場合は小学校低学年以下の子どもが3人おり、いろいろと手がかかりますので、副業に割ける時間は就寝前のほんの少しに時間や休日の中でも家族での予定がない時間帯に限定されます。

一方、本業での収入があり気持ちの余裕はあります。逆に言えばその分一つ一つの案件がおざなりになってしまっているかも知れません。

そのあたりのバランスをとりつつ、大きな一歩を踏み出すことができたのは非常によかったことだと思っております。

なお、私の場合は本業で生産・物流周りをやっておりますので、補助金関係のお手伝いもその分野だと勤務先との業務とのシナジーが発揮できるのだろうと考えておりますが、はてさて。

在庫を持つことの意義

在庫は悪。一昔前にメーカーではよくこのようなキャッチコピーを見かけました。いえ、メーカーだけではなく卸売業、小売業など様々な業界で見かけます。

しかし、本当に在庫は悪なのでしょうか。

私の考える答えはNOです。在庫は、経営に悪影響を与えない範囲内できちんとコントロールされておれば在庫を抱えることは問題ない、いや、むしろ企業活動を円滑に進める役割を持つと考えています。

在庫を持つことの目的は大きくは2つあります。

一つ目は「経済性の追求」です。

経済性の追求とは、つまり効率をよくするということになります。
具体的には下記の3つの効果が考えられます。

まず、在庫を持つことにより、見込みでの大量生産が可能となります。そのため、スケールメリットの享受による原価の低減の効果がまず見込めます。

次に見込み生産をすることにより、生産の平準化が可能となります。これにより工場の操業度が維持できます。

最後は仕掛品、半製品の在庫を持つことで工程能力の吸収の効果が見込めます。
これはどういうことかと言いますと、本来はラインバランスがきちんとされた工程を構築するのが理想ですが、現実問題としては不可能に近いです。そこで、その工程の能力の差を埋める形で工程間在庫を設定することで、理想に近いラインバランシングが可能となります。

これら3つの「経済性」はすべて工場内の話となります。
つまり、効率よく生産・製造業務を行うためには在庫が必要だということになります。

二つ目の目的は「販売の円滑化」です。
在庫を持つことにより営業活動がやりやすくなります。
具体的には下記の3つの効果が考えられます。

まずは、納品リードタイムの短縮。在庫を持つことで、注文を受けてすぐに顧客に納品することができます。これは昨今ますます重要度を増していると考えています。

次に展示・品揃えの充実です。これはもう言葉の通りで在庫がないと展示もできませんし、商品サンプルを見込み顧客にお渡しすることもできません。

最後に需要変動の吸収です。顧客からの注文の変動に対応するためにあらかじめ在庫を持つことで、欠品を少なくすることを企図します。

このように、製造・生産サイドから見ても営業サイドから見ても在庫は必要なのです。
しかしながら、営業側は在庫を持ってほしい、工場側は在庫を持ちたくない、その逆のパターンもありますが、会社全体として在庫を持ちたい派と持ちたくない派が争っている構図をよく見かけます。

しかし、経営的な視点でいけば、適切な在庫を持つのが正解に近いといえるでしょう。

その適切な量というのが、生産サイドと営業サイドで変わってきますので、落としどころを計算してコミットさせるのがマネジメントの責務となります。

コミュニケーションについて考える

伝えること、ではなく、伝わっていること

会社に属していると一人で仕事をするという状況はなかなかありません。複数人で仕事にあたるのが一般的です。複数人が共通目的・貢献意欲・円滑なコミュニケーションを持っている集団を組織と呼びます。

コミュニケーションと言えば、どういったイメージを持たれるでしょうか。情報の伝達のようなものを思い浮かべる人も多いかと思います。ですが、英語の「communication」の語源は、ラテン語の「common」であると言われており、伝達というよりは共有という意味合いが強いです。「相手に伝わっていなければ、伝える側が悪い」とよく言われますが、それはこの「共有する」という真の意味から考えれば妥当な表現だと考えさせられます。

この相手に「伝わっていること」を意識すると格段にコミュニケーションに対する意識が変わります。実際の業務の中で、「伝わっていること」の確認不足のために失敗をした経験は誰にでもあると思いますが、その際の原因が他人から自分に置き換わります。そして具体的な対策として、言いっぱなしではなく最後に念押しをするようになったり、再度どういうことか言ってもらったり、コミュニケーション後の行動を注視したりすることできちんと伝わっているか確認するようになります。

けど、それってすごく手間がかかりますよね。

コミュニケーションコストについて

コミュニケーションコストという言葉をご存じでしょうか。これは、時間=コストであるという考え方をもとにコミュニケーションに費やしている時間を費用とみなす考え方です。

コミュニケーションコストを下げることで、意思決定のスピード感が生まれ競争優位に立てると私は考えていますが、中小企業はとにかくコミュニケーションコストがかかります。

一般的にコミュニケーションコストがかかる要因としては、次の3つの格差があります。

「情報量」「理解力」「価値観」です。

「情報量」は、例えば社長と一般社員では持っている情報に大きな差があるのは容易に想像できると思います。

「理解力」は、同じ情報を見ても解釈や理解の幅が違ってくる点です。

「価値観」は、同じ情報量で同じ解釈をしても、同じアウトプットがでるとは限りません。そこには個人の持つ「価値観」が上乗せされて出てきます。

そして、特に中小企業がコミュニケーションコストを要するポイントとして、「情報流の未整備」と「共通言語がない」ことがあげられるのではないでしょうか。

情報流とは言いかえればフローです。これは経験則になりますが、業務フローや職務分掌や情報伝達の仕組みがない組織も多く見られます。もしくはあったが無視されて機能していない組織。その結果、各人が自分で自分の業務の幅を決めてしまい、業務間のインターフェイス部分がすごく雑になり、その結果としてうまく情報が受け渡しされず届けたいところまで届かない。なので、間をすっ飛ばして直接伝える。すると、その間の処理していた部門(もちろん部門を経由することには何かしらの意味がある)で処理漏れが発生するという悪循環に陥っています。共通言語がないということは、例えば「受注」という単語が出てきたときにみんなが「お客様からの確定受注」と認識できない状態です。「受注」は状況や使う人によって「確定受注」だったり「内示」だったり「生産指示」だったりするので、都度、「その受注ってどういう受注?」といったような無駄な会話が生まれています。

つまり、非常にコミュニケーションコストがかかっている状態となります。

格差を埋める

なによりの問題点は、会社を牽引していく立場にある人が、このコミュニケーションコストというものに無頓着なことです。これまでは、同じような業務を同じようなメンバーで行っていたので、それこそ阿吽の呼吸で物事がうまく進んでいったのだと思います。しかし、メンバーの新陳代謝も起き始め、会社をとりまく環境も大きく変わっているこの時代に社内のコミュニケーションにそこまで多くの時間を割いている暇はないのです。

そのためには社内で円滑なコミュニケーションをとる仕組みが必要です。

「情報量」の格差は、リーダーの情報開示度で高めていくしかないでしょう。情報に対しては情報の正確性よりアクセス性が重視されるというデータもあります。社内の共有サーバの整理を進めて、欲しい情報に容易にアクセスできる状態を作るのも有効かもしれません。さらには社内のデータを一つのデータベースに集約して、いつでも、だれでも見れる、使える状態を作るのが必要です。

「知識量」の格差は、個人の能力にもよるところが多いですが、リーダーみずからメンバーにセミナーする場を設けたり、社外研修にも積極的に参加させるなどで地道に埋めていく必要があります。最悪の場合は、適材適所も視野に入れることも必要でしょう。

「価値観」の格差は、本来であれば採用時にふるいにかけるのがベストですが、実情はそうも言ってられません。理念や哲学などを熱意をもって伝えてそれこそ「伝わっている」状態まで語るしかないのでしょう。

この3つの格差を埋めるにはリーダー自らが情報を発信し、知識を伝承し、哲学を埋め込む、すなわちメンバーとコミュニケーションを密にとることが大切なのでしょう。

しかし、コミュニケーションコストを減らすためにコミュニケーションをする。なんとも不可解なことになってしまいました。

コミュニケーションとルールの反比例

あとは「情報流の整備」と「言語の統一」も行わなければなりません。こちらはコミュニケーションというよりはルール化です。こちらも相応のコストがかかりますが、どちらも投資のような感覚で捉えてもらっても問題ないのではないでしょうか。

リーダーの時間を費やしメンバーとの格差を埋め、時間をかけてフローの整備とルール化を行うことで、今後発生するコミュニケーションコストが大幅に下がるのであれば安い投資ではないでしょうか。

そもそもコミュニケーション量とルールの量は相反する関係性です。ルールがかっちり決まっているとお互いにコミュニケーションする必要もないですし、逆にルールが決められないほど変化が激しいと都度コミュニケーションをとり意思決定していくことになるでしょう。

これから必要なこと

今後、リーダーに必要なのは、

コミュニケーションコストを意識しながらも従業員としっかりコミュニケーションをすること。

ではないでしょうか。

私のようにリーダーのサポートをする人は、

会社の組織をウォッチしながらコミュニケーションの質と量とルールとのアジャストをしていくスキルが必要になってくるのではと思いを馳せ、まだまだ勉強することが山積みだなと実感しました。